バツ2彼氏


「嘘って、どういうこ…」

『少し親父を反省させてやろうと思って、つい』

「ええっ!?」

『優香さんの涙を見てたら、親父に無性に腹が立ってさ』

「…」

『でもさすがにやりすぎた、ごめん。親父には全部話したよ』

「じゃあ、あたし達何も…?」

『当たり前じゃん』

「…よか、った」


あたしはその言葉を聞いて脱力してしまった。




『でも 優香さんのこと、ほっとけない、抱きしめたいって思ったのは事実だよ』


電話の向こうから聞こえる、健くんの小さな声。

< 198 / 210 >

この作品をシェア

pagetop