バツ2彼氏

「別に太ってないじゃん、前田」

「前より太った。先生のせいだからね」

「…んで俺のせいなんだよ」

「先生が美味しいもの食べに連れてってくれるから」

「はは。女の子はちょっとくらいポッチャリの方が可愛いん…」

先生はそう言ってテレビのリモコンを手に取る。

梓直伝の『お色気作戦』も先生には通用しないの?


「先生…っ」

あたしはリモコンを持つ先生の腕を掴んだ。

「前田?」

「あたし、今日は覚悟して来たから」

あたしは必死にドキドキを抑えて、先生の顔を見上げる。

「いい加減、子ども扱いしないでー」




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