涙の枯れる頃


みんな―――…
とっても怖いけど、嬉しい。

みんなが、こんな風に思ってくれてたなんて……。

「…ありがと、みんな」
心が暖かくなって、目に熱い物が込み上げてきた。
私が微笑むと、みんなも微笑んで、日向が頭をクシャっと撫でてくれた

「泣くなよ?美姫」
「そうだぞ?美姫は心が弱いな!!」
「ハハッ!!いいじゃん。なっ!!これもこれで可愛いしっ!!!」
「だねっ!!もう美姫可愛いスギっ♪」

――――ギュッ

後ろから抱きついてきた雪。

「ハハッ!!雪、今だけだぞ?…俺ら、説明するから、雪は美姫をよろしくなっ!!」
そう言うと、健と直人と日向は舞台に戻って行った

……でも、みんなの目線は私達から離れない。

「…全校生徒、クラスの代表者にクジを引いて貰う。それで種目が決まる。じゃあ、クラスの代表者――――…」
マイクを持ち、喋ってる直人。

「…直人、サマになってるね」
「ハハッ!!だろ?いつも喋るのはアイツだからな」
「え?…日向と健は?」
「日向は面倒臭いって。健は、女嫌いだから、睨んじまうんだよ」

……。
言われてみれば。

それも、日向の理由、面倒臭いって……
だったら、何で生徒会に入ったんだ?


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