涙の枯れる頃
「あっ。今、何で生徒会に入ったんだ?って思ったでしょ?俺らも、好きでやってるんじゃねーよ?」
眉を下げてる拓真。
「え?じゃあ」
「此処の学校では、好きで生徒会に入る奴がいない。だから、みんなで投票する事になったんだ」
ああ。それだったら、何で日向達が生徒会してるのかが分かるな。
日向達は、人気がある。だから、みんなは日向達を投票した。ってワケか。
って――――…
さっきから、雪の声が聞こえ無いんだけど。何で?
「雪?おーい?」
「雪なら気持ち良さそうに寝てるよ?」
「ええ゛?!」
私の背中で寝てるらしい雪。
良く聞くと、耳元にスースーと言う、気持ち良さそうな寝息が聞こえる。
「今日、朝早かったもんね」
雪のぶら下がってる手をゆっくりと握った
「…ねぇ…ん……」
「ぇ?」
耳元で雪のか弱い声が聞こえた
「……ぇ…ちゃ…」
「…雪?」
今度は、ハッキリと聞こえたんだ。
雪のか細い声と共に、私の肩が濡れた
「…姉ちゃん…」
いつの間にか、クジ引きが終わってたらしく、体育館の中には、私と日向達しか残っていなかった。