涙の枯れる頃


「…どうした?美姫」
泣いてる私の頭に手を当てて、真っ直ぐと私の目を見た

…こんな健を、失いたくない。

告げようとすると、弱虫な私が強くなる。

心の何処かで“言いたくない”“言わなくていいんだよ”と思ってる私がいる。


「……健っ…」
「……どうしたんだよ…美姫」
いつもの私と様子が違うからなのか、眉を下げて私の背中を擦る健。

……健、君は真実を知ったらどうする?

私を嫌う? それとも、今までと変わらない?

「……健…私っ…健とっ……」
「……落ち着け。美姫。…ゆっくり、話せ」
健は私をゆっくりと抱きしめて、耳元で囁いた

……甘い香りに包まれて、どんどんと心が落ち着いて行く。

「…美姫、どうした?」
私が落ち着いた事を確認して、健がゆっくりと聞いてきた

「……私、健と…兄弟……じゃ無いの」

……言った。
ついに言った。

みんなは驚きが隠せない様子。

雪も目が覚めた様で、驚いてる。

私は健の顔が見れなくて、俯いた。


「……美姫、嘘…だろ?」
震えてる健の声が聞こえる

「…っ……本当だよ…健に……言えなかったんだ…嫌われちゃうんじゃないかって……心配でっ…心配でっ……」
目から熱いものが流れ落ちて、雪の綺麗な頬に垂れた

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