涙の枯れる頃


私を抱きしめてる腕が、離れて行った


……嫌われた。

私、健に嫌われたんだよ。


もう、私の兄じゃ無い。

私の一言で……

私達の“兄弟”と言う関係は終わった。


もう、私達の関係は壊れたんだよ。


……此処に入れない。

もう、無理だよ。


私は気づくと走り出していた。

何処に行くのかも分からないまま。


走っても、走っても。
涙は枯れず、どんどん増えて行くばかり。


どうして?どうして言っちゃったの?


健……。
騙しててごめん。

ただ……ただ。
嫌われたくなかったの。


…ありがとう。
本当にありがとう。


そして―――…

  さようなら。

私の大好きなお兄ちゃん。

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