涙の枯れる頃
本物の絆
どれくらい、走っただろう。
私が立ち止まった場所は、見たことも無い街だった。
「……どうしよ…」
街には、キャバクラや、ホスト。
そして柄の悪い人達が沢山。
……私、ヤバイ所に来てしまった。
「お姉ちゃんっ!!美人だねぇ~。俺らと遊ばない?」
肩を凄い力で掴まれ、香水が強い男達に引っ張られた
…イヤだ。香水が強くて臭い。
触らないでよ…。
今、誰にも関わりたくないんだよ…。
「…触らないで」
「ん?何で震えてんのぉ~?」
ワザとらしく聞いてくるチャラ男達。
―――――グイっ
「…何してんの?」
後ろから凄い勢いで手を引っ張られて、チャラ男の手が解けた
「あ……美姫…」
「優真っ?!」
そこには、驚いてる優真がいた
「…何の用だよ。俺らが先約なんだけど」
はあ?チャラ男について行く馬鹿なんか何処にいるかっ!!
「…そうなの?美姫」
私が横に首を振ると、優真は二ヤッと笑って、チャラ男達を一気に片付けた。
……ってか、全てが一瞬で、何が何だか分からなかった。
気づいたら、チャラ男達が倒れてた…みたいな。
「行くぞっ!!」
「わっ…」
優真は私の手を引っ張り、走り出した。