涙の枯れる頃
しばらく走ると、あの危険な空気が漂ってる街を抜け出し、マックに来た。
息を切らしながら中に入り、丁度2人用の席に座った
「……ハァ…ハァ……ハァ…」
「…っ……ハァ…何か…頼もうか……」
私達はポテトとレモンティーを頼み、優真はナゲットとコーヒーを頼んだ
「…優真、ありがと」
「え?いいよ。前の仮を返しただけだし」
優真は微笑んで、ナゲットを口に運んだ
「んでも、何であんな所に美姫1人で?」
……言えない。
でも。優真に聞いて貰って、心の中にあるドロドロした気持ちを少しでも減らしたい。
そうしないと、私が私で無くなっちゃいそうで…。
私は健と兄弟じゃないと言う事や、あそこに居た理由を優真に話した
優真は、軽蔑する様子も無く、私の目を真っ直ぐ見て、真剣に聞いてくれた
「…要するに、健吾さんとは血が繋がって無くて、兄弟じゃ無い。それを知らせたら、健吾さん達と居ずらくなって、無我夢中に走った。……んで、気づいたらおそこに来てたってワケね」
「……はい」
私が頷くと、優真はコーヒーを飲んで、私を見た
「…優真。どうしよう。私、嫌われたし…。みんなに合わす顔が無いよ……」
優真はそんな私の言葉に少し眉を下げて、考え始めた
…前も思ったんだけど、やっぱり優真、綺麗な顔をしてて、日向みたいに、人とは違う様なオーラ―を持ってる
「…やっぱ、俺が言うのも何なんだけど、話しあった方がいいと思うぞ。このままでいいのか?」
……良くない。
「このままで、後悔しないか?」
……しない、ワケが無い。
でも。
「……合わす顔が、無いの」