涙の枯れる頃


でも、思い出せない。

……思い出せないんだ。


「…ゅうま…は?」
すると、看護師は悲しい顔をして、私の手を握ってきた

……嫌な。

予感が……する。

「……貴方と、一緒にいた人…よね?……無事よ。だけど…意識は無い。今が山だわ。……これを乗り越えられるかの、問題になるわ」

優真…無事…今が山…乗り越えられる……問題…

私の頭には、看護師が発した言葉の単語しか、出てこなかった

「……ゅうま…元気……会いたい…」
私の言葉からも、単語しか出てこなかった

看護師が言った言葉が―――…

……信じられない。

だって私。何処も骨折してないよ?

それに―――…
さっき、私の事を助けてくれて。
そして、マックで一緒におやつ食べて。
そして、タクシーに乗った。

これだけの事。

なのに。――…優真は意識が無いの?

……そんなのウソだよ。
そう。嘘。

…きっと、嘘。

私は看護師に手を貸して貰い、優真の所に向かった

優真が眠ってる部屋は【集中治療室】だった。

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