涙の枯れる頃
「……ここよ。何かあったら、言ってね」
私が目にした人。それは―――…
頭に包帯が何重にも巻かれていて、
胸にも包帯が巻かれてる。
そして、左手も包帯で巻かれてる。
包帯だらけの優真、だったんだ―――…
私は、優真に近づけなかった。
近づいたら、いけない様な気がしたんだ。
私はふらつく足取りで、自分の病室に向かった
もう、心がズタズタに引き裂かれた。
自分の手に刺さってる針を無理やり抜いて、逃げるようにエレベーターに乗り込み、病院を……抜け出した。
行く宛ても無く、歩いた。
もう外は暗くなっており、夜の風が私の肌を冷やした。
何度も、何度も転んでは立ち上がり、ただ。
ただ、ひたすら歩いた。
もう、私はいらない子。
健を、悩ませてしまったのも私。
優真を……あんな目に合わせたのも私。
全て。私のせい。
何で?何で私が事故に合わなかったの?
どうして?どうして優真ナノ?