涙の枯れる頃


私は路地の真ん中で泣き続けた。

通り過ぎる人達は、私を異物の様な目で見て、避けて通って行った。


馬鹿だ…。馬鹿だ…私。


もう、私には何にも無い。
もう、どうでもイイ。
もう、何もかもイヤ。


今日、私は――――――…



兄を失った。
仲間を失った。
感情を失った。


そして、私自身を―――…

…―――失った。


私の涙が枯れると、空から沢山の涙が、降ってきた。


どんどんと激しくなり、周りにいた人達も、いなくなった。


商店街の店の電気や、携帯の明かり。



それぞれが、光を失い、私の目には。

……全てがモノクロに映った。


< 118 / 144 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop