涙の枯れる頃
私は路地の真ん中で泣き続けた。
通り過ぎる人達は、私を異物の様な目で見て、避けて通って行った。
馬鹿だ…。馬鹿だ…私。
もう、私には何にも無い。
もう、どうでもイイ。
もう、何もかもイヤ。
今日、私は――――――…
兄を失った。
仲間を失った。
感情を失った。
そして、私自身を―――…
…―――失った。
私の涙が枯れると、空から沢山の涙が、降ってきた。
どんどんと激しくなり、周りにいた人達も、いなくなった。
商店街の店の電気や、携帯の明かり。
それぞれが、光を失い、私の目には。
……全てがモノクロに映った。