涙の枯れる頃
シンボル
立ち上がり、手すりに縋りながら、
ふらついてる足を何とか動かして歩いた。
もう、空は真黒になっていた。
車道を通ってた車やバイクも無くなり、もう、何も見えない状態。
その時、目の前に私の伸びてる影が映った。
車のドアが開く音もして――…
―――グイっ
「美姫ッ!!!」
手を引っ張られ、振り返る状態になった。
そこには、大好きだったはずのみんながいた。
でも今は…
「…何?」
そんな人達さえも。
「……美姫。
…どうしたんだよ」
輝いて、映らなくて。
それどころか、
分からない感情が、溢れ出して。