涙の枯れる頃



あたしの言葉に日向は黙った。


「……どんだけ馬鹿正直なんだよ…」

日向の声と共に、抱きしめてる腕が強くなった。


もう、胸が苦しくなって、
息をするのがやっとだ。


「……日向」

「何?」

「…日向」

「ん?」

「名前…呼んでみただけ」

「…ったく」

高鳴る胸を押さえながら、日向の方に寝返った。

日向を見ると、顔が赤くなっていた。


それが可愛いくて、微かに笑った。


「…笑うな」

「だって…日向の顔、赤いんだもん」

日向の顔に手を当てると、あたしから目を逸らした。


「もう、寝ろ」

「…うん」

日向の頬に当ててた手を頭に持って行き、撫でた。




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