涙の枯れる頃
「……日向」
「ん?
…ただ呼んだだけはヤメロよ」
「…違う。
ただ……あたしを見放さないでくれて、ありがと」
「当たり前だから」
微笑むと、日向も微笑んだ。
「……美姫が喋ると、理性ヤバイから寝ろ」
「へ? 理性…?
それに…あたしが喋ると?」
「いいから。もう寝ろ」
あ…、はい。
もう、大人しく寝ます。
だけど、あと1つ。
「…日向、手だして?」
日向はゆっくりと右手を出した。
日向の指に自分の指を絡ませた。
「…これね、知ってる?
恋人繋ぎって言うんだって。
……いつか、日向も好きな子と、出来るといいね」
日向の大きな手を握って、眠りについた。