涙の枯れる頃
――――日向SAID――――
俺の胸の中で、安らかな寝息を立てて眠ってる美姫。
全てが可愛くて、仕方がねぇ。
…なぁ、美姫。
綺麗で、性格が可愛くて、お人好し。
それに、仲間思いで、情に溢れてる。
初めて会った時、とても驚いた。
こんな綺麗な奴、見た事なかったし。
俺らの周りには、ケバイ女しかいなかったし。
だから、俺と1つ違いの年で“まだこんな奴いたんだ”と思った。
化粧だってしてねぇし、スタイルもスゲぇいいし。
それに、雪が連れて来たって事にも驚いた。
雪は、女を特に嫌ってるからな。
だから、直人が『雪が女を連れて来るらしい』と言って、少し嬉しそうだった。
でも――…
どうせ女なんだし、ウゼぇだけだろ。
……そう思ってた。