涙の枯れる頃




気持ちが抑えられなくなり、日向に抱きついた。


「……ぉい」

今、起きたらしい日向の声が上から降ってくる。まだ、眠そうな声。


「……何?」

「…美姫、襲われたいワケ?」

「……」

きっと、日向は朝に弱いから、寝ぼけてるんだ。
そうだよ。……そうだよね?

だって、日向ってクールじゃん??

そうだよ。
……そうだょ。


固まってる私の顔を見て、日向は鼻で笑った。


不覚にも、イラっと来ましたよ…。


「…冗談だし、本気にすんな」

そうだよね。
うん、そう、だよね。

でも、何か胸が締め付けられてる様な。


そんなあたしの心は、
日向が発した言葉により、

ズタズタになった。




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