涙の枯れる頃





中には、おにぎりやサンドイッチ、ハンバーガー。
レモンティーやコーヒー、ココアなどが入ってる。


サンドイッチとレモンティーを取った。


「んじゃ、俺ハンバーガーとコーヒーで」

日向は、コンビニ袋をイスの上に置き、隣に腰掛けた。


「…何でマダ泣いてんだよ」

鼻を軽くつまみ、苦笑いをする日向。


「泣いてないっ…」

そんな強がりをよそに、
目からは熱いものが次々に流れ落ちる。

「ったく。俺の前では無理すんな」


―――フワっ

わっ…!
視界が、日向の服で埋め尽くされた。


甘い香水の溶けちゃいそうな匂いに包まれ、心まで溶けちゃいそうになる。

日向の胸の中で泣いた。
泣いて、泣いて、泣きまくった。




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