涙の枯れる頃


私はしばらく待った。

……ケド、…来ない。

「…何か、あったのかな?」
私は、いてもたってもいられずに、体にタオルを巻いたまま、シャワー室を出た

……寒っ…。

何となく、体育館の中央に座った


…にしても。かなり寒い。

私は凍えた体を温めようと、自分の手で、体をさすった

……何か、あったのかな?

大丈夫なのかな?

……もしかして…あの人も私の事……


いやだ。
そんなの絶対にイヤだ!!!

…信じたい。
あの人の事、信じたいよ…。


その時……
「ごめんっ!!!遅くなった!!!…って君!!」

後ろから、あの人の声がした
私は咄嗟に男に抱きついた

「…ッ――良かった…」
「…冷た……いつからここで待ってたの?…ごめんね?…ってか、その格好……。風邪引くから、これに着替えて!!」

私は男からゆっくり離れて、洋服を受け取り、更衣室で着替えた

……ブカブカ
あの人の、甘い香水の香りがする。

私は洋服を身に纏って、すぐに男の元に向かった

……凄い。

男は、舞台にあるピアノを弾いてた



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