涙の枯れる頃
…毎日が、孤独だった
たとえ。
1人でも、私を理解してくれる人が…
欲しかったんだ。
「どしたの? どこか、痛いの?」
男は、私の頬に伝わっている涙を拭った
私は、首を横に思いっきり振った
初めてなんだよ…。
君みたいに、私に優しくしてくれる人。
…だから。
君の1つ1つの言葉に、心が揺らぎ、私を優しく包みこんでくれる。
「…名前、何て言うの?」
男は優しく微笑んで、私の頭を撫でてきた
「ん?通りすがりのヒーロー?何ちって!!
俺の名前は、雪。上村 雪だよ。
ウエムラ ユキ
よろしくね!!…君は?君の名前は?」
「美姫…だよ」
私はあえて、名字を告げなかった。