涙の枯れる頃


「キャハッ!!!美姫超可愛いっ!!!」

女の私より、雪の方が断然可愛いよ…。
…女より、ねー。

「お世辞はいーよ。
…雪が可愛い過ぎるんだよ」
「違うよ!!!俺は可愛く無いっ!!!」
雪は頬を膨らませて、腕を組んだ

…充分、可愛い。
雪が羨ましいよ…。

私は、小さな溜め息をついた

「ねぇ、美姫も何か弾ける?」
雪はピアノを指差して、私を見て、首を傾げてる

…雪は、何をしても可愛く見えるよ。

私は雪の可愛さに、少し不満を感じつつも、ピアノの椅子に座った

「弾けるんだっ♪」
雪が、可愛い笑みを浮かべ、ピアノにもたれて、ゆっくりと目を閉じた

体育館の窓から零れる、太陽の微かな光が雪の顔を照らし、心地良い風が、優しく雪の髪を靡かせてる。

目を閉じてる雪は、とても綺麗に思えた。

元々、綺麗な顔立ちをしてるからカナ。


雪は、性格が可愛いから、可愛く見えるのかな?


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