涙の枯れる頃
拉致
―――2時間前
「ヤッタぁ!! 雪の鬼っ!!!」
「ああぁ~!!!!」
~♪~♪~
「あっ。ごめん、電話。
ちょっと待っててね?」
雪は携帯片手に、体育館を出て行った。
……。
………。
さっきまで雪と遊んでいたから、
慣れていた1人も、予想以上に淋しくなる。
…早く帰って来ないかな?
瞬間、
――ドンッ
「――ッ…」
一瞬で頭に鋭い痛みがほとばしった。
――カラン…
金属の何かが、床に落ちる音。
それと共に、視界が反転した。
段々、視界から光が消えて行く…。