涙の枯れる頃
もう、何も考え切れなかった。
意識を飛ばした。
視界にうっすらとうつっていた床が、
赤色に染まって行くのを見て――…
―――――
気がつくと、暗闇にいた。
目の前にある大きな鏡を見、
自分の状況を何となく掴んだ。
手は何かで縛られていて…
頭からは血が垂れてる。
…服も、血まみれ。
せっかく雪が貸してくれたのに…。
雪に謝らないと。
端から見ると、有り得ない位、
冷静に見えるんだろうね。
こんな状況で、冷静でいられるなるて、凄いと思う?
あたしからすると、冷静なんじゃない。
…思考回路が回らないだけ。
…雪、助けて。
助けてよ…。