涙の枯れる頃
「おう。起きたか? 美人さん」
如何にもイカつい男が、近づいてきた。
男の目の集点が、分からない。
…聞いた事があるんだけど。
この人、薬に犯されてるんじゃ…。
やばい。
…雪が、1人で来たら、どうしよう。
こんな危ない場所に。
もし、雪が1人で来たら、この男達に…。
…ヤダ。
やっぱり、雪を此処に来らす訳にはいかない。
……どうにかして、
ここを抜け出さなきゃ!!!
「まだかな~。アイツ。
早く来て、ボコボコにしてヤリタイな~!」
“アイツ”?
…一体誰の事?
もしかして……、雪?!
「馬鹿だよな~!!
女を守る為に、ここに1人でくるなんてな~!!!」
その言葉に、男達が一気に笑いだした。
“アイツって誰?”
そう聞きたいのに…。
…恐怖で、言葉が出ない。