涙の枯れる頃
「治療してあげるから、我慢してね?」
雪に抱き上げられたまま、歩き始めた。
建物から抜け出すと、
眩しく太陽がきらめいてた。
でも、雪が影になって、直視は逃れた。
そしてスグに、車に乗った。
……アレ?
車は前からいたかのように、
普通に止まってる。
「…出して」
雪の声で、車は動き始めた。
……雪の車、なの?
それとも、進化したタクシー?!
……。
んな訳無いよねぇ。
雪は携帯取り出して、電話しだした。
「今から向かうよ」
電話の相手に第一発声が“今から向かうよ”…って。
……初めて聞いた…。
「おう! 怪我人がいるから……ああ。
女の子だよ。……うんっ!! お気に入り♪
……超美人だから♪ 期待しといてっ!!!
……うんっ!! じゃっ」
結構長かったな…。
ってか、
電話の意味が分からないんだけど。