涙の枯れる頃


「…え?美姫?」
黙ってうつむいてる私を見て悟ったのか、驚いた声が上から、降ってきた


……しょうがないじゃん。

小学校と中学校は、女だけの学校だったし。

だから、男と絡むなんて……
…無論、恋もした事が無いし。

だから。
“恋”がどう言う物かを…分からない。

“恋したい”と言っても、いつも言葉だけ。
……行動した事が無い。

「……分かんないよ」
「…え?」
「…キス…の仕方……」
「「「はあぁ?!!!」」」
もう、40度行ってるんじゃないの?って位、恥ずかしくて、体中が赤くなってると思う。

「…キスの仕方…分からないって……」
「…すげぇ…純情……」
「……美姫、本当か?」
……アンタ達は…恥ずかしい事、一体何回言わせるのよっ!!!

「――…っ!!!本当っ!!!バカにすんなっ!!!
き、キスした事一度も無いしっ!!ってかやり方さえ知らないしっ!!それにっ、健以外と抱き合ったのも…雪が初めてだしっ!!」

自分で言いながら、私のあまりの経験の無さに、情けなくなり、半泣き状態になりがら言い切った



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