涙の枯れる頃
私は、等々息が出来無くなり、雪の胸を軽く叩いた
「…雪っ……苦しいっ…」
「あっ。ごめん」
何とか雪は離してくれた
「…怪我の治療するよ」
「あっ。…お願い」
痛みが麻痺して、一瞬忘れてたよ……。
「ここ、座って」
私は、男に言われた通りにソファーに座ると、男も救急箱を持ち私の前に座った
「美姫ちゃんだっけ?
日向にそんな口、聞ける子。そんなにいないよ♪特に、女では!!…美姫ちゃんが初めてっ♪まあ、男でも、俺ら位かも!!
あっ。ちょっと痛むと思うけど、我慢してね?!」
男は優しく微笑んで、治療道具を幾つか取り出した
「…そうなの?ってか、ちゃん付けしないでいいよ。美姫で」
「…プッ!!…分かった。じゃあ、俺の事も直人で」
……あんな口聞けるの、中々いないって…
……一体、何者だよ。もしかして、天皇家だったり?!
……まさかね。
私は、一瞬頭をよぎった馬鹿な考えを、振り払って、直人に笑顔を向けた
「直人っ♪よろしくっ!!」
“友達になってくれてありがとう”の感謝の気持ちを込めて。
直人は、少し顔を赤らめながら、言葉の代わりに優しく微笑んでくれた
「俺、アイス食べたいっ♪」
「あっ!!俺もっ!!」
「んじゃ、コンビニ行ってくるわ。
美姫は何味が好き?」
「いちご♪」
「オーケー」
健と雪は部屋を出て行った
だけど
幸せの時間は、これまで。