涙の枯れる頃

日向は、料理をテーブルに置き、私の隣に座った
「日向は1人暮らしなの?」
「…ああ」
…そっか
でも、1人暮らしにしては、お家大きく無い?
そう言えば、両親と、英語を使って話していたもんね。
……どう言う家庭なんだろ。

気になったけど、さっきの質問に、日向の顔が曇った様な気がしたから、これ以上聞くのは止した。


日向は黙って、食べだした。

……きっと、日向にも何かあるんだろうな


「頂きます」
日向が作ってくれた、パスタを口に運んだ

口に運ぶと、何とも不思議な気持ちに襲われた。

「…どうした?」
私の目に、熱い物が込み上げてきて、目から、大粒の涙がこぼれ落ちた

……原因は、多分。

とても久しぶりに、手作りを食べたんだ。
いつも、外食などだったから……。

日向の料理には、“愛”を感じた。

私にとっては、この料理が、とても特別に思えたんだ。

1つも、愛を与えられなかったから、みんなからしたら、こんな当たり前の事も、私にとっては、とても大きな事に思えるんだ

< 46 / 144 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop