涙の枯れる頃
「……っ…」
声を押し殺して、泣きながら、パスタを口に運んだ。
……おいしい。
とても、おいしい。
一一一フワッ
私の手は、日向によって遮られた。
甘い香りと共に、私の闇に包まれた心に、日向が入り込んでくる。
「…うぅ゛……っ…」
私は震える手で、ゆっくりと日向の背中に手を回し、日向のシャツを強く握った
「…っ……日向ぁ…」
「…大丈夫だ。 俺は此処にいる」
日向は、優しい声で囁き、私を抱いてる片手を頭にもってきて、怪我をさけ、頭を優しく撫でてくれた
しばらくすると、涙が引いてきたので、日向にお礼を言って、離れた
そして、パスタを残さず食べた
「…風呂入ってこい。 服貸すから」
「…ありがと」
「風呂場はそこだから。 服は持ってく」
「ありがと」
私はお風呂場に駆けこんだ
シャワーを出すと、また何とも言えない気持ちになった。
気持ちが暗くなって、涙が溢れ出た
…何でかは知らない。
けど……。
寂しいんだ。
寂し過ぎて、寂し過ぎて……
涙が水と一緒に流れて行く。
私はしゃがんだ。
そうしないと、倒れてしまいそうで…。
「…っ……」
こんな悲しい思いも、水と一緒に、流れて行けばいいのに…。
私は、涙を拭いてシャンプーやリンスをして、体を洗った。
そして、ゆっくりと風呂場を出た。
更衣室には、既に洋服が置いてあった。
私はダルイ気持ちで、服に身を包んだ
「……日向?」
私は更衣室を出て、キッチンに向かった
でも、日向は居なくて…。