涙の枯れる頃




――ガチャ

「うわ~!! 久しぶりの部屋!!」

「馬鹿か? 
昨日ここで、俺にちょっかい出してただろーが!!」

「ワザとだろ?! 連れねーなっ!」

「はあ? 何が連れね―だ!
お前が連るの下手糞なんだろーが!!」

健と雪は、言い合いをしてる。

直人は止める様子も無く、ソファーに座って、テレビを点けた。


私は日向がいる、キッチンに向かう。


「日向……」

「……分かってる。会いたいんだろ?」

「うん……」

「明日。会いに行くぞ」

「明日?! 嬉しい!」

私は拓真って人に会いたい。


……どんな人か、見て見たい。

日向達と一緒にいた人だもんね。

……やっぱり、
優しくて、いい人なんじゃない?

明日が楽しみで仕方がなかった。


“拓真”って人に、会えるんだから。

久しぶりにお洒落しようかな?


その後、
みんなで日向が作ったご飯を食べ、遊んだ。


―――PM8:30


「…どうする? 今日も泊るか?」

「え…?」

「美姫、一人嫌いなんだろ?」

…うん。 
嫌い。




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