涙の枯れる頃


私達は、途中で花束を買って行った
拓真って人が好きな“コスモス”の花を。

しばらくたっくんと話してると、病院に着いた

「…拓真さんの様子見てきて下さい」
たっくんは眉を下げて、弱々しく微笑んだ

きっと、みんなに愛されてるんだな。

私は日向達と一緒に病室に向かった


「…此処だよ」
病室の前に着くと、個室らしく、名前が書いてあった“神谷 拓真”って……。
それを見ると胸が高鳴り、足がすくんだ。

「…入るぞ」
日向はノックをして入った


……中は、太陽の光が差し込んでて、キラキラ輝いて見えた。
そして、その真ん中にあるベットで眠ってる男。

「……拓真、今日は美姫が来てるぞ」
日向が優しい笑顔で男に話しかけてる

「ねえ!美姫超可愛いんだよ!!見てみなよっ!!」
雪も男に向かって笑ってる

「…おいで。美姫」
直人が手招きしてる

「俺の妹なんだぞ~!!超自慢だけどっ!!」
健も笑ってる


まるで、
この瞬間、みんなの心からの笑顔が見れたみたいで……


……自然に涙が零れ落ちたんだ

私は一歩一歩、拓真と言う人に、近づいた



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