涙の枯れる頃
私は抜け物された気分になって、また勝手にひねくれた
「…美姫」
日向の声が、いつもより冷たく感じた
その声を聞いた瞬間、心が一気に冷えた気がした
目に熱いものが、どんどんこみ上げてくる
「…日向、私の事嫌い?」
返事を聞くのが怖い。
だって…自信がないんだもん。
私、どっちかと言うと、日向に迷惑しか掛けて無いし。
本当の事、聞かせてほしい。
「私…迷惑しかかけてないし…」
「嫌い……って言うわけないだろ?ったく。変な所に食いつくな。思考回路はどうなってんだよ…」
日向は呆れた顔をして、私に微笑んだ
「…ほんと?」
「……ハァ。
健吾、お前の妹は人を信じないのか?」
日向は大きなため息をついて、健吾にも微笑んだ
ウソじゃない。
日向を…信じてもいいんだよね?
うん。 いいんだ。
私は、日向を信じたい…信じる。
「…日向。ありがと」
私は日向に微笑んで、目を擦った
「あ~あ。目を擦ったら、腫れちゃうよ?」
拓真が大きな手で、私の頬に伝わる涙を拭ってくれた
「ほら。これで冷やしとけ」
直人は、コンビニの袋からジュースを取りだし、私の目に当てた
「冷たっ…」
「そりゃあ、買ってきた時期なんだもんね~!!」
雪が可愛い笑顔で、私の頭を撫でてくれた
「……ありがと」
私はみんなに微笑んで、ジュースを目に当てた