涙の枯れる頃


――――――ガラッ

「あら。本当だったのね!拓真さん。検査に行きましょう。何処にも異常が無ければ、明日、退院できますよ」
「わぁ!!拓真!良かったね!!」
私は感情に乗せられ、拓真に抱きついた

「あらっ。やっぱり彼女? とても美人さんね。 羨ましーわぁ! こんなイケメン達に囲まれちゃって!! 私が代わりになりたい位っ!! もうすぐ40歳だけどねっ!!」

……。
みんなシケてますよー。

それに私、前も言いましたが
「拓真の彼女じゃないですよ?」
「あら。そうなの?じゃあ誰の女?」
「いえ。誰の女でもないですよ…。看護師さんも分かるでしょ?こんなカッコイイ人達にこんな私がつり合うと思います?もう、差がありすぎて・・・」
「……無神経なんですね」
「「「「「はい」」」」」
ん? 何で?
「…何でみんなが答えてるの」
みんなは私から顔を逸らした。

「じゃあ、拓真さん行きましょうか!!
付き添いの方もお2人程どうぞ!!」
「付き添い?」
「拓真と一緒に行って、隣で検査を見とく人の事だよ」
「それくらい知ってるもんっ!!」
私は直人を見て、目で“馬鹿にするな!”と訴えた

「ハハッ!!ごめんごめん。ところで、誰が行く?」
直人は私の頭に手を置いて、日向を見た
「んじゃ、俺と直人が行くよ。美姫は大人しく待っとけ。雪と健もだ」
「…分かった」
私達を残して、日向達は出て行った

「どうしよ~…。ねぇ、検査ってどんなもの?」
「んー。簡単な物なんじゃん?大きなものではないんじゃん?」
「ん。そだな。そんな大きなものじゃないよな」
そっか…。
なら良かった。

「じゃあ、どれくらいの時間がかかるの?」
「んー。30分?」
「いや。1時間くらいじゃね?」
そんなに?!
どんな検査なんだろ…。


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