涙の枯れる頃


「んまあ、1時間弱くらいだよ」
そっかぁ~…。
でも、これで異常が無かったら、拓真は帰れるんだよね。

異常が無かったらいいな…。

―――――ガラッ

え? ええ゛?!
「もう、1時間たったの?!」
「は?」
私が雪と健を見ると、舌を出して、ウィンクしてた

「…雪、健?」
私は怒りを堪えて、目で“話が違うよね?”と訴えた
2人はそんな私を見て怯えてる

「ん?どうした?」
「え…?ん、何でも無いよ?…ね?2人共」
私は黒い笑顔で2人に微笑んだ。

2人は頭を思いっきり縦に振ってる

「んー…。まあ、拓真、帰れるんだってよ!」

え…?
帰れる?!

…良かった!!

「良かったぁ!!!」
私は何とか立ってる拓真に抱きついた。
だから、勿論何とか立ててる拓真は倒れるワケで…。

「いったぁ!!」
「ゴメン。拓真っ!!」
私は拓真の上からどいて、倒れてる拓真に手を差し出した

「明日こそ、帰れるんだよね?みんなの場所に」
私が微笑むと、拓真も微笑んで、私の手を握った

「おう。あの場所に」
私はそう言って、嬉しそうにしてた拓真をゆっくりと引きあげて、歩けない拓真を倒れないように、抱きしめて支えた

「いいな~!拓真ぁ。美姫、俺も抱きしめてっ!!」
「はあ?雪は歩けるでしょ」
私の言葉に頬を膨らます雪。

「美姫、大丈夫。俺らが座らすから」
日向と直人は拓真の手を掴んで、ゆっくりとベットに座らした

「悪ぃな。…俺が歩けないせいで…」
拓真は眉を下げて、私達を見た

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