涙の枯れる頃
私は、拓真の隣に座った
「…拓真、私達はイヤでやってるんじゃ無いよ?大事な仲間だから、早く元気になって欲しい。だから、それまでは私達が拓真の足になってあげる…違う?」
私が言うと、みんなは優しい顔で拓真に微笑んだ
「…みんな」
拓真の目に涙が溜まって行ってるのが分かる。
「拓真、泣くなよ?」
私は微笑んで、拓真の頬を軽くつねった
「…泣かねーよ……」
そんな事を言いながらも、涙声になってる拓真。
「しょうがない。拓真のお守は、私達がやってやろーじゃんっ!!」
私は拓真に笑って、背中を軽く叩いた
ウソだよ。
本当は“しょうがない”なんて一つも思ってない。
……早く、拓真に元気になって欲しい。
早く、拓真が龍輝黒雷の幹部として、倉庫に戻って来て欲しい。
その思いは、みんなと同じなんだろうな。
「…っ……ああ、やけに熱いな~!!汗が出てきたっ!!」
そう言いながら笑った拓真の頬には、大粒の涙が通ってた
「…馬鹿。目から汗って聞いた事ねーよ」
日向が拓真に笑いながらレモンティーを渡して、隣にあったタオルを拓真に渡した
「うっせ…」
拓真はタオルを受け取って、涙を拭き、レモンティーを口にした
「ハイっ!!3年ぶりのレモンティーのお味の感想は?」
健が、空のペットボトルをマイク代わりに拓真に差し出した
拓真は、微笑んで「超うめぇ」と言った