涙の枯れる頃


そして、スグに車は走り出した

日向を見ると、いつの間にか携帯を耳に当ててた

「直人か?…今日、そのまま泊っていけ。病室から一歩も出るな。……ああ、何処の病室に入るかは分からない……気を付けろ。……明日、朝6時半に……ああ。雪達にも言ってくれ。……拓真の事、頼むぞ……美姫は無事だ…顔は見られてない………ああ」

…さっきの人達も、敵なの?
だとしたら…直人や雪や健や拓真は…?

大丈夫なの?

「…美姫、お家教えろ」
「あ…うん」
私は、一回しか行った事の無いお家に案内した

お家の前に着くと、私は日向に抱えられたまま、スグにお家に入った

「……何も無いな」
「うん。1回しか使ってないから」
私はそう言いながら、階段を上がった

私のお家は、日向と同じ位の広さ。

日向のお家は3階建てだけど、私のお家は2階建て。

ただ、横に広いだけ。

私は、自分の部屋に入って、通帳と、カード。そして、財布と、着替えを整理して、鞄を持ち、スグに車に乗り込んだ

私達は、日向の家に入った

「美姫、気をつけろよ?」
最後にたっくんが、心配そうな顔をして、私を見た

本当に、暴走族って優しいんだね。
…私が思ってたのと、全然違う。

「ありがと。たっくん」
私はたっくんに微笑んで、日向について行った

日向は、私の鞄を持ってくれてオートロックを解除して、私を待ってた

「ごめん。日向」
私は日向に謝ってから中に入った

「…この家、好きに使っていいから」
日向は口角をあげて、私の頭を撫でた


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