涙の枯れる頃
「…朝の6時集合だから、5時半には起こすぞ」
「分かった。おやすみ」
「…おやすみ」
私は微笑んで、部屋に入った
ベットに入ると、フワフワの温もりに襲われた。
子供の頃、こんなベットを求めてたっけ?
……けど今、私が本当に求めているのは、日向の甘い香りと、日向の冷めない温もり。
…こんなフワフワのベットなんか、いらないって思ってしまう。
寝れないんだ……。
恥ずかしいけど、本当だもん。
私は、体中が熱くなるのを感じながら、日向の部屋の前にきた
…もう、寝てるかな?
―――――コンコン
「ひ、日向?」
「…入れ」
中から、日向の声が聞こえた
私は、震える手でドアを開けた。
「…日向……」
「…どうした?」
部屋を開けた瞬間、あの甘い香りに包まれた。それと共に、余計に体温が上昇した
…恥ずかしいけど、一緒に寝たい。
ふらつく足取りで、日向が眠ってるベットに近づいた
「…どうした?」
「……ぃ…」
「あ?」
舌が思うように回らない
「…寂しい……」
やっと出た言葉。
「…俺と一緒に寝たいの?」
日向はふざけて言ったつもりだろうけど、私からしたら、図星で、とても恥ずかしい事なんだよ……。
私は、どんどんと体温が上がって行くのを感じながら、日向を見た
「ぃ、一緒に……寝たぃ…」
もう、倒れちゃうんじゃないかって位、体温が上がり、胸のバクバクと激しく鳴る音しか、聞こえなかった。
「…来い」
日向が、いつの間にか私の前にいて、私の手を引っ張り、布団を被せて、抱き寄せた
もう、心臓の音が、日向に丸聞こえなんじゃないかって位、恥ずかしくて、胸がキュ―――っと苦しくなった。