涙の枯れる頃


―――――ドンッ

「美姫?もう、遅いから心配し――――…」
トイレを出るとスグに、私を呼びに来たらしい直人にぶつかった。

直人は目を見開いて、私を見てる

「――――ッ…なおっ…と……」
私は感情のまま、直人に抱きついた。

「美姫?!何が合った?!」
直人は私を抱き上げて、みんながいる席に向かった

「美姫どーしたのっ?!!」
私達を見た、雪が駆け寄って来た

「……っ…うう゛…」
心に何かが刺さったみたいに、痛い。
一生抜けない矢…みたい。

……あの女に会いたく無い。

「もう、帰るぞ」
私の気持ちを察したのか、直人は私を抱き上げたまま、車に乗り込んだ

「…っ……」
これが、何かは分から無い。
……ただ。心が凄く痛い。
これだけは分かる。

しばらくすると、日向達も拓真を連れて、やって来た。

あの女は、何がしたかったんだろう。

私に自慢する為?
私に、私達は愛し合っていたのって教える為?

……そんなの、要らないよ。



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