涙の枯れる頃

生徒会



雪は女達にベタベタ触られてるわ、健はピンクの視線で見る女達を睨んでるわ、拓真は女達から、黄色い歓声を上げさせてるわ、直人は女達にラブレターを沢山貰ってるは、日向は黙って拓真の車イスを押して、女達を圧倒的なオーラーで感激させてるわ………当の私は睨まれてるわ。

……ハァ。


私は生徒会室に入ると、大きな溜め息をついた。

「…み、美姫?」
「……みんなモテ過ぎ。私1人で歩いたら5分で着く道を、みんなと歩くと20分ってどういう事?!」
みんなは苦笑いをしてる。
まあ、みんなが悪い訳じゃ無いけど…。

私は、もうどうでも良くなって、自然と笑みがこぼれた。

「…んじゃ、行くぞ。美姫、付いて来い」
みんなは資料を持って……ってええ゛?!

……ヤバイ。
超……似合ってる。

私は、みんなをじっくりと見た。

「…美姫顔赤いよ? 大丈夫?」
「…っ!!!……だって…みんな、似合ってるんだもん……」
近づいてきた雪に、後ずさりをしながら、恥ずかしさで、うつむいた。

しばらくの沈黙の後……
「…可愛い過ぎだから……。…美姫!!俺を見てっ!!!」
雪に肩を叩かれ、雪を見ると、雪は私に黒縁メガネをかけた

< 95 / 144 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop