涙の枯れる頃

体育館の中に入ると、黄色い歓声に包まれ、舞台に立ってる直人がいた。
「全校生徒のみんな。おはよう。これから今日の集まりについて説明する―――…」

……スタイルも抜群。そして緑色の切れ長の目。スラッとしてる鼻。…整ってる顔。

私が見とれてると……
「…美姫?どうしたの?」
気がつくと、雪が凄く近い距離にいた。

慌てて、後ろに後ずさりすると、健が優しく微笑んで、後ろから抱きついてきた。

その行為に、みんなの視線が集まり、女達は悲鳴を上げ始めた

……違うんです。
私達、兄弟なんです……って言っても、信じてくれないよね?

「…うるせぇ。聞いてんのか?」
舞台を見ると、ブラックオーラー全開の日向が、女達を睨んでる。
女達も、これには流石にビビってる。

一気に体育館が静まり返った

……日向。
アンタ、凄いね。感激だよ。

私が感激してると……
「…おい美姫、来い」

ってええ゛?!
日向が私の名前を呼んだ訳で……全校生徒の女達の目線は一気に私の方に……。

まあ、そりゃあそうだよね。

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