殺人ビル
9分が経った時あの機械からアラームが鳴った。

ーピーピー

ビクンッと体が反射する。なんにかと思い機械を手に取る。
「牢屋に武器があります。戦闘時に使用する可能性があります。必要ならば装備しても構いません。」
「そんなに遠まわしに言わなくても、それで人を殺して腕でも切って持ってこいってことだろ・・・」
歯を食いしばる。最初はなにかの冗談だと思っていたが、ここまでくると本当かもしれないとゆう気になってくる。

ーカチャ

10分経ち扉の鍵の開く音がした。ゆっくりと扉を開ける。さっきと全く変わっていない廊下。辺りを警戒しながら足音を潜めて歩く、だが物音一つしない。不気味な位静かで人の気配もしない、こんな人気も無いところで人殺しをするなんて信じられない。やはりなにかの冗談かと思ってしまう。だがさっき閉じこめられていた牢屋にいくと一気に現実に戻される。
そこには、チェーンソー、斧、ハンマー、日本刀、サバイバルナイフ、拳銃、様々な武器が置かれていた。さすがに全部持っていくことは無理なようだ。メインの武器としてチェーンソー、斧、ハンマー、日本刀の中から一つ、サブとしてサバイバルナイフ、拳銃のどちらか。ゲームが趣味の彼はFPSやTPSなどシューティングゲームをよくやっていた。自分の名前は忘れても趣味についてはよく覚えている。どれだけゲームに没頭していたのか。
チェーンソーと拳銃を手に取る。恐らくこれが最善だろう。日本刀は素人がそう簡単に扱えるものじゃない。サバイバルナイフはチェーンソーで代用できる。ただ難点がある。二つとも音が大きい。コンクリート製の壁だと音が響く。音に気付いて見つかる前に殺して体を切断しなきゃならない。
まるでゲームのように気楽に戦略を立てる。彼の心から恐怖が消え、それどころか隠れん坊の鬼のようにワクワクしていた。
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