ラスト・ゲーム番外編


照れながら去っていく、彼女の後ろ姿をぼうっ…と見つめていた。


彼女が走るたびに、フワフワロングの髪が優しく揺れる。



…俺の心も、フワフワと舞い上がっていた。











″彼女″の名前は、


藤堂幸子。


3年2組、席は窓際後ろから三番目。



…あんな子が同じ学校にいたなんて、知らなかった。


まあ俺は目が悪いのもあって、そんなに遠くの人までは認識できないのもあるんだけどさ。



…まさかあんな可愛い子が、この世にいたなんて…知らなかった。






「…何一人でにやけてんの」

元也が呆れたような顔で俺を見ていた。



「…やっぱどうやってお近づきになるかだな……」




まだ一人で呟く俺に、元也は一層呆れたようにため息をついた。


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