ラスト・ゲーム番外編
俺が「校内スイカの種飛ばし大会」の開催を生徒会に申請するかどうか真剣に悩んでいた何日間かのうちに…
…藤堂さんには、同じクラスの彼氏が出来ていた。
…新学期マジックか?
何で俺には起こらないんだ。
…運命とやらの儚さを、身にしみて感じた。
「ふぁぁ〜……」
アクビをしながら、肩を落としてのっそりと歩く。
多分今の俺は、冬眠から覚めきっていないマヌケな熊のようだ。
(藤堂さん……)
どこのどんな男だか知らんが、幸せになれよ…
俺は、心にうけた傷を背負って生きていくよ…
なんだか演歌みたいな語り口で干渉にひたる熊…いや、俺は、
下を向いていたためか、ただアホだからか…廊下の壁に激突した。
─バラバラバラっ!
…筆箱の中身が、楽しいほどに飛び散った。
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