ラスト・ゲーム番外編
(はぁ……)
我ながら、情けない。
飛び散ったシャーペン、消しゴム、赤ペン……
いそいそと拾い上げ、俺は走って次の授業に向かおうとした。
「朝霧くん!!」
俺の名を呼ぶ声。
ゆっくりと振り向いた俺の目に映ったのは…
セミロングストレートの黒髪をなびかせた…
すごく綺麗な、
…女の子。
「………はい」
その女の子は俺に近寄ってきて、俺の手に俺が拾い忘れていたと思われるペンを乗せた。
そして、ニッコリ笑って去っていった。
俺は、次の授業のチャイムが鳴り終えるまで…
彼女の去っていった廊下の先を、見つめていた。
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