ラスト・ゲーム番外編


もちろん、遅刻したかいあって林田先生のゲンコツは前にも増して素晴らしく痛かったが…

…俺はやっぱり、にやけていた。




「…何一人でにやけてんの」


移動教室に遅れるからと俺を置いていった薄情者…早水元也が、また呆れたような顔で俺を見ていた。

─もちろん、俺の頭にはゲンコツの痛みと、黒髪ストレートの後ろ姿しか映っていない。



「なぁ元也!俺の良いとこってどこ?」




元也は若干うっとおしそうに、飛び付いてきた俺に一言吐いた。




「スイカの種を、遠くまで飛ばせるトコじゃね?」


「…………。」





─生徒会に、「校内スイカの種飛ばし大会」…申請してみるか。




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