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「圭矢!」
って声をかけたのは私じゃなくて派手な女だった
思わず壁に隠れてしまった…
覗き込むと
二人は楽しそうに腕を組んで歩き出した
思わず見つからないように後を追ってしまう
楽しそう…
彼女さんなのかな…
と思いながらも後を追っていくと
二人はグランヴィアホテルのフロントで鍵を受け取るとそのままエレベーターに乗って消えてしまった
ははは…
私バカ…
とんだ勘違い女だ…
「東京に戻ろう…」
その日のうちに荷物をまとめて東京の自分の部屋に戻った
涙が込み上げてくる
犯されて泣いた時とは違って締め付けられるような胸の痛みが襲ってくる
私こんなに好きになってた
苦しいよ誰か助けて…
ナナ<苦しいよ…>
直哉<どうした?>
ナナ<胸が張り裂けそうだよ>
直哉<俺も>
ナナ<直哉さんも?>
直哉<ごめん 俺 ナナには本当の事を言うよ>
ナナ<本当の事?>
直哉<俺本当は会社の社長じゃない ただの本当に悪いチンピラなんだ>
ナナ<でも私にとっては社長だろうがチンピラだろうが直哉さんは直哉さんだよ>
本当だよ一番苦しかった時猫の写メくれて励ましてくれたのは紛れも泣く直哉さんだ。
直哉さんがたとえどんな人物でも私は好きだよ
直哉<そう言ってくれるなんて嬉しい>
ナナ<ははは>
直哉<俺、好きな奴がいて…初めはただのそこら辺の女だと思ってひどい事をしたんだ>
ナナ<ひどい事>
直哉<ナナに言ったら幻滅するような事だよ>
直哉<その子ナナと似てたんだ話し方が>
ナナ<じゃあいい女だね(笑)>