MAIL

「おはようございます!」

久しぶりにバイトに出勤すると

柴崎さんが真剣な表情で私のほうにむかってきた

「どうしたんですか?顔怖い」

「ちょっときて」

そういって私の手を引いてエレベーターの屋上を押した

もしかして長い事休んだからクビとか言われたりして…

屋上に出るといきなり私を抱きしめた

えっ??

ええ!!

なっ何?

「メール読んだ」

いきなり訳のわからない一言

「伊藤さんと直哉のメール読んだ、正直妬けた。直哉とその伊藤さんをドキドキさせた男に」

ええっ!?

ちょっと確かに上司は個人フォルダー勝手に見れるけど

でもでもちょっと待って頭真白

「伊藤さんがしんどいって休んだ日の前の日のメールの内容から絶対直哉に会いに行ったと思った あたりだろ?」

「…」

「メールで会えなかったのを見て少しホッとして、でも気になってたら病気だって泣いて電話してきてさ、心配で思わず行ってしまったじゃないか。そしたらまた実家に帰るって言い出してほんとわかりやすい女」

「…」

「昨日のメールあれ本当?」

「うっウソだよ!」

思わずあせる

「本当の事か…伊藤さんわかりやすい。どこまで本当かはわからないけど…」

「…」

「俺が伊藤さんのこと守るから…」

「…」

「悲しませないから…」

「…」

「俺と…その…付き合ってほしい」

えっ!

「考えておいて」

そう言ってエレベーターを下りて行った

一人残された私









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