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「何か食べる?カレーあるけど」

そう柴崎さんが切り出した

圭矢のために作ったカレー…

「カレーはいいや…」

今食べたらまた泣いちゃいそう…

しばらく沈黙の後柴崎さんが台所に向かうと雑炊の匂いがしてきた

いいにおい…

「これ俺の愛がこもってるからおいしいよ」

って冗談交じりで私の目の前に差し出した

見ると一人分

「柴崎さんの分は?」

「俺はカレーもらう」

そう言って3人分ぐらいはあるカレーをおいしそうに全部たべてくれた

柴崎さんの優しさが伝わってくる

「お腹壊しますよ」

「毒入りとか?」

冗談で返してきたから

「猛毒ですから明日死にますよ」

って言い返したら真剣な表情で

「まじうまかった」

って言われた

本当は圭矢に言われる予定の言葉だったのに…

でもその気持ちが嬉しい

「ありがとう柴崎さん」

「いえいえどう致しまして」

柴崎さんが食べ終わった食器を片付けはじめた

あれ?もしかしてずっとそばにいてくれたの?

「柴崎さん仕事は?!」

ようやく正気に戻った

「やべー!クビになったら伊藤さんに養ってもらうから!」

そういいながら急いで帰る用意をしだした

私も思わず立ち上がる

その姿を見て柴崎さんが私の両肩をつかんでベットに座らせた

「仕事が終わったらまた様子見にくるよ」

「あっでも今日は…」

圭矢が帰ってくるかもしれないし…

そんな私の動揺を察知して

「あっそうか…彼氏帰ってくるかもしれないから俺こない方がいいか…じゃあ彼が来なくて淋しかったらよんでよ。当分はそんな都合のいい男でいいからさ」

そういい残して柴崎さんは部屋から出て行った










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