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次の日久しぶりにバイトのドアをたたく

前もって柴崎さんが言ってくれていたので

みんな気軽に「お帰り」っと声をかけてくれた

女の湯のみを棚に置く

男の湯のみと女の湯飲みがペアーでなんだか変な気分

「伊藤さんちょっとこっち来て」

柴崎さんが呼んでいる

「何ですか？」

「はいこれ」

ドスッと渡されたのは顧客リストの山

「今日の伊藤さんの仕事はこれをファイリングすること」

えーーーっ

そういって長机をパソコン室に運んできた

「私だけがなぜファイリングなのー」

そう叫んだけど

でもその意味はすぐにわかった

こういうのに集中してるといろいろ考えないですむ

サクラの仕事も一応恋愛だから…

考えないようにさせてくれてるのかな

しかも長机わざわざ会議室から持ってきたのは皆がいると泣けないから

やっぱ柴崎さんはすごいや…

今まで柴崎さんの行動あんまり見てなかったけどけっこう動いて他の人の愚痴とか意見とか、けっこう聞いて回ってるんだ。しかもほとんど出勤してるしいつ休んでるんだろう…

どうしてサクラの仕事してるんだろう
こういう詐欺みたいな仕事しなくても彼ならどこでも十分通用すると思うのに…