MAIL
女?
その人が猫を抱きかかえる
俺もそこへ行こうと歩き出した時
いきなり右手がスーッと上がって
急にぐっと引っ張られた
えっ?
目を覚ますと
俺の手を握って泣いている真奈美がそこにいた
力が入らない手で真奈美の手を握り返すと
真奈美がはっとした顔でこっちを見た
「圭矢!」
真奈美がぐちゃぐちゃな顔で泣き出す
「ああっ」
俺は管が喉の奥まで入っていたから声がだせない状態だった
書きたい
そう右手でジェスチャーをすると
真奈美はあわてながらそこにあったペンと紙を俺に差し出した
<ごめん>
字にならない震えた字で書いた
「は?っ何誤ってるの?意味わからないんだけど…」
色々謝らなきゃいけないことがある
でも今はこれが精一杯だった
すると真奈美が
「私怒ってるんだから!」
っと真剣なまなざしで言った
当然だよ。お前にひどい事した…
許されない事をした