MAIL
「前にも言ったけど私、サクラしてたの…東京の事務所でメール打ってたんだよ。気付かなかった?」

最初はサクラだと思ったでも…

「地元が京都だから横綱ラーメンとか出したからわからなかったでしょ」

わからなかった…

「直哉さんとメールしてるうちにどんどんサクラでだましてるのが嫌になってきて…でも話すととても楽しくてやめられなかったの。お金たくさん使わせてごめんね」

俺が出したかっただけだから…

「会って謝ろうと思った。でもサクラじゃ本当の私の顔もメールできないし、直哉さんを私が見つけるしか会う方法がなかったの。まさか直哉さんが圭矢だなんて思いもしなかった」

「圭矢に助けられて、その後やられちゃったけどね…まさか圭矢が裏で糸引いてたなんて思いもしなかったよ。最上級の詐欺師だね」

そういって俺のほっぺたをつねった

ごめん…本当にごめん

「そんな顔しなくていいよ。ほとんど寝てたから覚えてないから」

ごめん…

「そんな顔しないでって言ったでしょ!」

そしてまた俺のほっぺたをつねる

「泣いたけど過ぎた事だし。もう気にしないで」

そういって俺の手に軽くキスをした

心臓がきゅっと痛くなって涙がこぼれた

「あっ泣き虫ボーイ!」

そういって真奈美が笑う



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